top of page

峠を読んで思うことを書いてみた。

約1ヶ月以上かけて読んでいた本をつい最近読み終わりました。

「峠」というタイトルの本で、司馬遼太郎さん作です。幕末に実際にいた河井継之助という人物が主人公です。上中下の3巻に分かれており、昨日下巻をついに読み終わりました。下巻を読んでいる最中はずっと心が痛くて締め付けられるような感覚がありました。なぜなら下巻では彼の人生が幕末という狂乱な時代に巻き込まれ、悪化していくまさに下り坂を描いているからです。彼の人生を表すキーワードとしてタイトルの「峠」はつけられたと思うのですが、まさに上巻、中巻、下巻において人生の上り坂下り坂を共に描いているような作品になっています。ただ下り坂なのですが、もし同じような立場に継之助以外の人物が立たされたとしたならばこんなに穏やかな下り坂にはならず、急角度でストーンと下に押していくような人生になってたと思います。

それだけ彼はすごい決断を重ね、幕末を生き抜こうとしていたのですが、不運も重なり最後死に至るまでの光景はなんとも言葉にならないほどの虚しさがありました。また全巻を通して彼の生き様がすごくかっこいいです。こんなにかっこいい生き方をしている人は現代では見たことがありません。今はグレーの時代というか白黒はっきりつけない人が多いですが、継之助は白か黒かという極端な生き方を選び、そこに哲学思っています。また自分の藩がおそらく助からないだろうと予想される時、彼は死に方を考えます。敵だった大きな勢力に翻って従い、今まで親しくしていた隣の藩に先陣を切って攻めていくという形をとれば、生き延びることができたかもしれません。しかし彼のとった選択は、後世に恥じない生き方をしたい

というものでした。気持ちはあってもおおきな勢力を目の前にした時に行動に移すことは、なかなかできるものではありません。またそれをすることによって、自分の藩から沢山の犠牲者をだし、血筋が途絶えるかもしれないという背景がありながらも、自分生き方を貫いた彼を賛否両論ありますが、尊敬しています。


​Recent Posts

Archives

bottom of page